予告したとおり、今回からは具体例を挙げて「設計」を紹介したいと思います。
しかし、前回触れたように田中電工オリジナル製品では無い為、製品名や詳細なデータetcはNGなところがありますので、説明できる範囲でのお話となります事をご容赦ください。
記念すべき初回に紹介するのは…
・電化厨房機器コントローラー
と言われても、「それって何?」となりますよね。
イメージしてください。
とある飲食店に入りました。
その店にはテーブルの中央に鉄板が据え付けられています。
そうです。鉄板焼きやお好み焼き屋の店舗にある、あのテーブルです。
そのテーブルは元々ガス火のモノが多かったですが、最近では電気式も増えています。
その電気式の熱源の制御を行うコントローラーの事です。
使用方法としては、「強火」「中火」「弱火」などのスイッチ毎に設定温度が決まっていて、その設定温度に合わせて鉄板の温度を制御しています。
では、さっそくどのような技術を使用しているのか見ていきましょう。
・温度データ入力回路
まずは、何と言っても鉄板の温度を計測しなければなりません。
その為に「熱電対」と言う温度を電圧に変換するセンサーを使用します。
その電圧データを「A/D変換回路」を経由しデジタルデータとしてマイコンへ入力します。
・7SEG表示回路
測定した温度を表示させる機能があります。
温度データをマイコンから出力し7SEG LEDにて表示させる回路を使用しています。
・熱源の制御回路
鉄板の温度が設定値になるように熱源を制御する為の回路です。
電化厨房は三相200V電源が多い為、使用電力としては数kWとなります。
ですので、三相の制御回路を使用しています。
この他にも、機器内の空冷の為のFANの駆動回路、なども使用しています。
これらの回路設計とマイコンのソフト設計に加え、製品筐体の板金構造設計も行っています。
構造設計の際には顧客と一緒になって操作性や設置・メンテのやり易さなどを検討し設計を進めていきます。
その他にも、排熱や安全性なども考慮した設計が必要となります。
以上が電化厨房機器コントローラーの紹介でした。